こんにちは、秋山です^^

お正月から続いていた陽気から一変、1月下旬になって一気に気温が下がり安行では雪交じりの雨が少し降りました。

じわりと感じる寒さから刺すような寒さになりましたが、植栽工事でスコップを扱うと汗ばむのは体が元気な証拠でしょうか。

今回は京都旅行で最後の第三弾としまして、平安神宮のことを紹介させていただきます。
[図1] 白川筋の川沿い 筆者撮影2023/01/04


・はじめに(前回と重複します。)
京都旅行をした背景としまして、古い町並みや庭園、お寺が残る街である京都の地は、現代でも老若男女からの人気が高いだけではなく、造園業に携わる方々の知識や技術の修養場所であると弊社社長より常々うかがっています。
そこで京都では、どのような手法で松や雑木が剪定されているのかを、この目で見たいと思い立ちました。

そこで、正月休みを頂いた時に京都へ旅行をして実際にお寺や街中を歩き京都の剪定された樹木をみてきました。

〈平安神宮〉

明治28年(1895)平安京換遷都1100年を記念して、昔の尊勝寺跡に建てられたのが平安神宮社殿です。建築の様式は中国唐代の王宮風で、遷都直後平安内裡(天皇の私的区域)として構成された大極殿をはじめ、左右対称の配列と構造をしています1)

[図2] 平安神宮 大極殿 筆者撮影2023/01/05
〈平安神宮神苑〉

京都市左京区に所在の平安神宮の庭園。社殿を囲むように造られた4つの庭からなる池庭[図3]。
同宮は平安遷都1100年を記念して建設され、その庭園は神社創建にあわせて明治27年~28年(1894~1895)にかけて、本殿の西に西神苑[図4]、東に東神苑[図5、図6](現在の中神苑)が造られました。

明治30年には西神苑と東神苑をつなぐ、流れ[図7]が竣工されました。

明治40年(1907)には東神苑を改修し、同44年~大正5年(1911~1916)にかけて東神苑の南方に新しい神苑が造られたことで、旧来の東神苑を中神苑とし、新たな神苑[図8]を東神苑としました。
一連の作庭は7代目小川治兵衛によるものであります
2)
[図3]   平安神宮境内案内図 
             平安神宮公式ホームページから引用
              http://www.heianjingu.or.jp/
[図4] 西神苑 筆者撮影2023/01/05
[図5] 中神苑1 筆者撮影2023/01/05
[図6] 中神苑2 筆者撮影2023/01/05
[図7] 西神苑と中神苑をつなぐ流れ 
             筆者撮影2023/01/05
[図8] 東神苑 筆者撮影2023/01/05
私は平安神宮神苑にて注目したのは、数多くの古い松が在ることです。

特に赤松の幹と枝の線が[図9]、川端龍子の「松鯉」(1938、宮内庁蔵)[図10]の日本画に出てくる松の枝の様に、柔らかで美しいと思いました。

日本画は弊社社長がよく剪定の勉強として参考にしています。日本画の風景の中に出てくる樹木を「心象風景」として取り込んで、剪定をする時にイメージができるようになることが目的です。

今回の京都旅行の中で出会った数々の樹木を、私の「心象風景」として大事にしていきたいです。

そして安行庭苑のこれからの剪定業務に反映させていきます。

そのためにも日々精進です^^

皆様、まだまだ寒い時期は続きますが、どうかお体ご自愛くださいませ。

安行庭苑 秋山



参考・引用文献
1)森蘊『日本史小百科〈庭園〉』 (株)東京堂出版、1988年、316頁
2)中村昌生『茶室露地大辞典』(株)淡交社、2018年、785頁
[図9] 中神苑の赤松 筆者撮影2023/01/05
[図10] 川端龍子「松鯉」1938年、絹本着色、宮内庁蔵
      
引用 村瀬雅夫『現代日本の美術 川端龍子』(株)集英社、1977年11頁