入社1年目、安行庭苑石井です。
今年から先輩方と共にブログを書かせていただきます。
以後、よろしくお願いいたします。

まだまだ寒い日が続きますが、いきものたちは春に向け日々成長しております。弊社に植えられている安行桜の様子を満開まで定期的にお伝えできればと思っております。

(1月18日弊社にて  筆者撮影)


さて、本題となりますが、1月13日(土)は弊社のある川口市でも雪が降りました。
「雪」といえば・・・
私が最近連想するのは版画家 川瀬巴水の「芝増上寺」という木版画です。
今回は先日、品川のお客様宅へ剪定作業に伺う途中の有意義な一コマを紹介します。








 
[図1] 芝増上寺のアングル写真 2024年1月8日 石井撮影
[図2] 川瀬巴水《芝増上寺》 1925年 町田市立国際版画美術館貯蔵
安行庭苑のスタッフは、弊社社長の意向で絵画を参考に樹木剪定の勉強をすることが多々あります。
最近は大正・昭和期の浮世絵師の川瀬巴水(18831957年)の浮世絵版画を元に、松の枝の作り方、間の作り方、松の自然樹形などの生育を基にした”魅せ方”の研究をしています。ここで、川瀬巴水について少し説明させていただきます。


【川瀬巴水】

 川瀬巴水は明治16年(1883年)5月18日生、昭和32年(1957年)11月27日没。本名は文治郎、芝露月町で生まれ育ちます。白馬会(後の葵橋洋画研究所)で学び、後に鏑木清方(1878年~1972年)に師事をする。
版元の渡邊庄三郎が主唱した新版画運動の主要画家の一人としても活躍した。
1)


[図1]は東京のお客様のお庭の剪定工事に向かう途中に通る、東京都芝の増上寺に立ち寄った時の写真です。
仕事初め早々に弊社社長が巴水が描いた《芝増上寺》や《雪の増上寺》の実際の場所を見よう!と、突然言い出したことに少々驚きました。
ということで、実際に絵の通りのアングルで写真を撮影をしてみました。

[図2]に描かれている松は現存しておりません。昭和20年(1945年)空襲の被害を受けた増上寺。もしかしたらその時、松も焼失してしまったのかもしれません。([図2]の左上の角に見える葉はクスノキの葉です。)

私は風景写真を撮影することを趣味としております。
巴水が写生したであろう当時の位置から様々な情景を思い浮かべ、現在と対比しながら撮影するという新しい試みを発見することができました。




 

私が巴水知るきっかけとなった1冊の画集を紹介します。
『川瀬巴水 木版画集
です。
社長所蔵の本で樹形の資料として拝見し、その魅力に惹かれ社長にいただいた新年のお年玉で全く同じ
川瀬巴水 木版画集を購入してしまいました!2)

そんな中、高松市美術館開館35周年記念の特別展として巴水の展覧会が開かれるそうです。3
さすがに四国の高松まで行くことはできませんが社長からうれしい知らせをいただきました。
JR川崎駅にほど近い「川崎浮世絵ギャラリー(川崎駅前タワー・リバーグ3F)
にて新版画を牽引した巴水をはじめ、同じく風景画を手がけた笠松紫浪(1898年~1991年)などの作品が約90点が24日まで展覧されています。4)
私も足を運んでみたいと思っております!
気になる方はぜひチェックしてみてください。
その時の様子など、ご報告できればと思っております。

引用文献
1)港区立郷土歴史館デジタルミュージアム、資料情報「芝公園の雪」
  https://archive.is/PE1Nn#selection-249.0-249.131
  2024年1月8日 筆者閲覧
2)『川瀬巴水 木版画集阿部出版株式会社、2001年
3)川瀬巴水 旅と郷愁の風景|高松市美術館公式サイト (city.takamatsu.kagawa.jp)
4)開催中のイベント | 川崎浮世絵ギャラリー 
 〜斎藤文夫コレクション〜 (ukiyo-e.gallery)